帳合

帳合とは
中国産ウナギかば焼きの産地偽装事件の背景には、水産業界などで一般的な「帳合(ちょうあい)」と呼ばれる商取引があります。

帳簿上の商流と実際の商品の流れが違う取引で、水産卸売会社の魚秀などはこれを悪用しました。しかも、業界には国内で水揚げされた水産物の産地を厳正に管理して産地を証明する商習慣がほとんどなかっただけに問題は根深いです。

帳合は帳簿上で商品の所有権だけを取引します。食品メーカーなどが小売りに商品を納入するまでに、複数の卸業者が介在することが多いのです。中間業者間の実際の商品の流れを省くことで、保管・流通費の削減につながるため、帳合が定着しました。

魚秀がつくったかば焼き製造会社「一色フード」とマルハニチロホールディングス子会社の神港魚類との間で、商社二社を介した帳合を行っていました。ですが一色フードは架空の会社で、かば焼きは魚秀が出荷していました。魚秀は偽装の主体であることを隠すため、神港魚類に販売したかば焼きの一部を買い戻すなどして、仕入れ業者であるように装っていました。

SAPでの帳合管理方法
・ 標準:SAPジャパンでは2000年から帳合や割戻金の業務要件を取りまとめた。
・ 取引先機能を利用して帳合管理を実現できる。

【読書筆記】 図解 よくわかるかれからの物流

1章 物流とは何か
2章 物流のしくみと機能
3章 物流管理と物流戦略
4章 物流センターの構築と運営
5章 流通、サプライチェーンが変える物流
6章 ITが変える物流
7章 環境問題が変える物流
8章 グローバりゼーション変える物流
9章 進む物流アウトソーシング
10章 これからの物流関連ビジネス

1章 物流とは何か
距離と時間の隔たりを埋めて、「使える状態」にするのが物流。
・ 物流を構成する6つの連携活動:
保管、流通加工、包装、荷役、輸送、情報

・ 分類: 調達物流、生産物流、販売物流

2章 物流のしくみと機能
・ 物流コストの過半を占める輸送費(57%、続いて保管費:18%)
・ 輸送費(調達輸送費:9.8%、社内輸送費:12.5%、販売輸送費:35.2%)物流コストの過半を占める輸送費(57%、続いて保管費:18%)
・ 輸送費削減のひとつ方法として、直送(物流センター、SP、卸センターなどを経しない)
・ 輸送機関:鉄道、航空、トラック、海運、内航。輸送機関を選択する際、貨物がもつ条件(商品の特性・物流特性・顧客特性など)にあわせて行う必要がある。

3章 物流管理と物流戦略
適正な物流サービスを供給しながら最小の物流コストを達成する。 
① 物流戦略立案のステップ
事業戦略レベル(標的顧客、市場 ← チャネル戦略、製商品戦略、顧客サービス戦略)

物流戦略レベル(納期サービス、輸送サービス、在庫サービス)

基幹構築レベル(物流ネットワーク構築(拠点配置)

機能レベル(倉庫管理、輸配送管理、在庫管理、包装管理)

推進体制づくり(物流コスト管理、物流管理子会社、物流管理組織(物流人材、物流外注管理)、物流情報システム)

② 物流ネットワーク構築の基本
納期サービス: リードタイム(長:集約、短:分散)
在庫サービス: 品揃え、即納率(常備アイテム/取扱アイテム)、在庫サービス率(納品量/出荷量)
⇒ 常備品が多いと、物流センターが大きくなる
アイテムあたりの受注ロット
⇒ ロットが小、棚数が多い。
輸送サービス: どこまで(軒先渡し、店内)、いくつから 
⇒ 輸送システムが決まる

③ 物流効率化の手順
・ 直通化(情報の直通化、輸配送の直通化)
・ 大量化(集約化)
・ 平準化
・ 差別化
・ 商物分離(受注処理業務、倉庫内業務、配送業務)
・ 共同化
・ 外注化(アウトソーシング、3PL)

4章 物流センターの構築と運営


8章 グローバりゼーション変える物流

 ・特徴:① 税関、保険の手続きが複雑になる ② 輸送リードタイムが長くなる ③ 多様な輸送モードの組み合わせが必要になる(空運、海運、陸運)
 ・輸送効率が良くするためのハブアンドスポーク方式(自転車車輪状)
  N個所必要の路線数 メッシュ型 N(N-1)/2 ハブ型 (N-1)
 ・3PL:3rd party logistics 荷主(shipper)、運送人(carrier)の間に立って業務を行う運送取扱人。
  ① 通関手続きの書類作成業務
  ② 輸送予約(安価の便のため)
  ③ 各種物流作業の提供(保税倉庫での保管、梱包、仕分け、検査)
 ・情報システム:TRAXON、NACCS(貨物通関情報処理システム)、湾港EDIなど

貿易関連

・Remittance Advice (送金通知)

・Payment Initiation (送金依頼)

・Clearing (送金)

・Credit Advice (入金通知)

・SI:shipping instruction (船積指図書)
 → サンプル:http://www.njh.co.jp/pc/binal/export/image/print-sample_shipping1.jpg

・Packing List (貨物の梱包明細書)
 パッケージごとに品名、個数、重量、Shipping Markなどを記載する。数量が少ない場合は、 Invoiceで兼用し、作成されない事もある。

・Invoice (送り状)
 Commercial Invoice(商業送り状)とOfficial Invoice(公用送り状)とがあり、単に Invoiceという場合には一般的にCommercial Invoiceを指す。品名、数量、価格、契約条件、契約単価などが記載されており、船積みされた貨物の明細を現わすとともに、代金の決済、輸出入申告などもInvoiceをベースに処理される。

・S/A :Shipping Advice 船積案内書
 貨物の船積み完了後、荷送人(輸出者)が荷受人(輸入者)に対して発行する書類の一つ で、注文番号、品名、数量、金額、船名、出港日、B/L NO、など、船積みの明細が書かれている。

・Certificate of Origin 原産地証明書
 貨物の原産国を証明した書類。日本から輸出する場合は、商工会議所で発給を受ける。輸入の場合は、通常、特恵税率の適用を受ける為に必要な証明書を指し、原産国の税関(国によっては、官公署など他の機関の事もある。)が、その物品の輸出の際に発給する。日本では、UNCTAD(国連貿易開発会議)での合意に基づく国際的に統一された様式“Form A”の原産地証明書以外のものでは、特恵税率の適用は受けられない。

・Proforma Invoice(見積送り状)
 売買契約を結ぶまえに、売り手が買い手に対して与える、試算用送り状のことをいう。仮送り状ともいう。この書類を、買主(輸入者)が輸入通関のために使用することもある。

参照サイト:http://bouekijouhou.com/2006/01/_shipping_instruction.html

シーエフ・カンパニー,指に取り付けるバーコード・スキャナを発売



シーエフ・カンパニー(本社東京)は,米Socket Mobile社が開発した小型のバーコード・スキャナ「ハンズフリー・バーコードスキャナー Cordless Ring Scanner」(CRS)を2007年7月に発売する。指に取り付けるスキャナ部分と,腕に装着するBluetooth送信ユニットから成り,常に取り 付けた状態で作業できるため,読み取り作業のたびにバーコード・リーダを取り出す必要がない。左右の指を動かすことでスキャナを起動でき,両手が荷物など でふさがっていてもバーコードの読み取り作業を行える。

What is RFID


RFID(Radio frequency Identification Tag)
無線ICタグ、情報を記録するICチップと金属製のアンテナで構成する装置の総称。ICは0.1ミリ~数ミリ角の大きなであるから、ゴマ粒チップとも呼ばれる。
 一つひとつのものに固有のIDを振ることができ,ある程度離れた場所から複数のもののIDを一括して読み書きできることが大きな利点。商品の位置と数量を正確に把握できるため,物流拠点での検品や小売店での商品補充などの応用が期待されている。
 ICは10数バイト~数Kバイトのメモリーとロジック回路を備え,無線通信によってデータの読み取りや書き込みができる。ロジック回路によって,演算,認 証,暗号化などの処理もできる。データの読み書きを行う装置をリーダー/ライターと呼ぶ。通信距離は数cmから2mぐらい(国内)。無線ICタグは,電池 を内蔵するものとしないものがあるが,現在は電池を内蔵しないものが主流。電池を内蔵すれば,無線ICタグから能動的に情報を発信することもできる。記録 するIDには,ものの属性情報などを直接含めないこともある。この場合はIDと属性情報を関連づけるためのデータベース・サーバーが必要になる。
 無線周波数は 13.56MHzと2.45GHzが国内では有力。13.56MHzは電磁誘導方式を,2.45GHzはマイクロ波方式を用いる。電磁誘導方式は,リー ダー/ライターのコイルに電流を流して発生させた磁界で,無線ICタグが持つコイル状のアンテナに電流を発生させ,ICチップを動かす。マイクロ波方式 は,リーダー/ライターのアンテナから発生させた電波を無線ICタグのアンテナで受け取る。どちらにしても無線を使うという特性上,無線ICタグの付近や リーダー/ライターとの間に金属や水があると悪影響を受ける可能性がある。通信距離には日本の電波法の規制があり,13.56MHz帯で70cm程度, 2.45GHz帯で1.5m程度。2004年後半には,規制緩和により950MHz前後(UHF帯)の周波数も使えるようになる見込みである。このほか, 125k~135kHzの周波数も使われている。
 

無線ICタグ バーコード
記録できるデータ量 大きい(数十Kバイト) 小さい(数バイト)
最大通信距離 2m前後(国内) 50cm前後
不正な複製 困難 容易
経年変化や汚れ 耐性が高い 耐性が低い
一括読み取り 容易 困難
コスト 高い(数十円以上) 低い(ほぼ0円~数円

 2次元バーコードは数Kバイト
JR東日本が導入している「Suica(スイカ)」などの非接触ICカードも,無線ICタグと同じ仕組みである。商品に貼り付けるタグと人が持ち歩くカードでは,利用形態が異なるものの,ほぼ同じ技術を使っている。

◆効果
検品作業を効率化

 RFIDタグは、微弱な電波を発して読み取り機と情報をやり取りします。タグの中には、ID番号(識別子)が入っており、バーコード代わりの役割を果たします。識別子しか入っていないタイプのほかに、タグのなかに情報を書き込める方式もあります。

 実際の利用では、事前にID番号と商品の属性などをひも付けた情報をデータベースに登録します。ID番号が分かれば、その商品の色やサイズといった情報が把握できます。

 アパレル業界では、検品作業の効率化にRFIDタグを活用し始めています。百貨店などの売り場では、バーコードを利用した検品作業に大きな手間が かかっています。シャツのように折り畳まれた商品の場合、1点ずつ袋から出してバーコードを読み取らなければならないからです。RFIDタグを取り付ける ことで納入された商品をなぞるだけで検品が可能になります。

 さらに、物流分野に適用が期待されているのが、UHF帯の電波を使ったものです。電波の届く距離が数メートルと長いため、倉庫や港湾など広い場所で一度にコンテナを読み取るといった使い方が可能になります。

◆事例
売り逃し防ぐ

 阪急百貨店は今年4月、うめだ本店の靴売り場にRFIDタグ2万枚を導入しました。卸業者が、RFIDタグを靴に取り付けて納品しています。倉庫に読み取り機を設置し、在庫状況が店頭で即座に把握できる仕組みです。

 同店の店頭では、各商品につき1サイズしか展示せず、残りの在庫は少し離れた倉庫にあります。従来は、顧客が望むサイズの在庫状況は倉庫まで行かないと分からず、往復に5分ほどかかるため顧客を待たせてしまい効率化が必要でした。

 RFID導入後は、店員は携帯端末で店内にある倉庫に加えて、卸業者にある在庫も確認できます。これによって店員は接客に集中できるうえ、卸の在庫を確認できることで売り逃しも防げます。

無線タグの仕様は用途やメーカーごとに違うが,業種や国境を超えた利用の拡大やインターネットとの連携を想定して標準化の動きも進んでいる。無線インタ フェースやプロトコルの標準規格としては,ISO 18000があるが,無線周波数の違いなどでISO 18000-1から同18000-7までの種類がある。無線タグに搭載するデータのフォーマットは,米EPCグローバル(旧・オートIDセンター)の仕様 「EPC」をベースに2004年前半にもISO規格化される見通しである。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/rfid/index.html

富士通/RFIDで「部品供給のリアルタイム管理システム」稼動


 富士通(株)がUHF帯RFIDを使った「部品供給のリアルタイム管理システム」を開発し、同那須工場で、稼動を開始した。
 これは、工場の部品供給倉庫と生産ラインにおいて、部品を供給する箱(部品箱)にRFIDを取り付け、このタグの情報を一括で読み取ることにより、部品の移動情報をリアルタイムで自動的に収集、管理し、この情報に基づき、タイムリーな情報発注を実現するもの。
このシステムにより、工場では「ジャスト・イン・タイム」の生産方式を強化し、在庫運用を飛躍的に効率化するとともに、従来部品の払い出しに使用していた年間100万枚の伝票を削減した。

What is 3PL

3PL: third party logistics

荷主に対して、物流改革を提案し、包括して物流業務を受託するサービスです。企業の流通機能全般を一括して請け負うアウトソーシングサービス。

自らは物流業務を手がけない企業が、顧客の配送・在庫管理などの業務を、プランニングや、システム構築などを含め長期間一括して請負、外部の物流業者などを使って業務を遂行します。

1st Party(荷主企業)2st Party(物流企業)に対して、3st Party(3PL企業)は利用運送業者を指します。ロジスティクスサービスを荷主に対し、その立場に立って戦略的に提供する事業者を活用します。

日立物流/3PL事業で34案件立上げ

日立物流(株)の主力事業で、企業の物流業務を総合的に受託する「システム物流」部門が順調にのびている。売上高3,039億円のうち、2191億円を締めた。前期より7%の伸び。2006年度は物流子会社を譲りうけた(株)資生堂のケースを含め、34案件を立ち上げた。上期はコスモス薬品、三菱マテリアル、参天製薬、昭和冷蔵など19件、下期もイオン、キャノン、東京豊島など15件がスタートした。

川崎汽船、シンガポール港に初の自動車専用ターミナル開設

川崎汽船、日本郵船、シンガポールターミナル三社との間で、シンガポール港で自動車専用のターミナル運営会社設立に関する合弁契約書を締結した。合弁会社:asia automobile terminal singapore, AATS, 今後シンガポール港のpasir panjang wharf に二つの専用岸壁を持つ自動車専用ターミナルを整備し、2009年1月まで稼動させる予定。シンガポール港は、既に当社のアジア完成車輸送における重要なハブ港であり、主にアジア各国より世界各地に輸出される完成車のトランシッブ港として機能している。